琵 琶 の 種 類  /(2)正 倉 院 の 琵 琶
  
 (※ 写真は、1994年宮内庁正倉院事務所「正倉院宝物1.北倉1、8.南倉2」毎日新聞より)
 

 (2) 正 倉 院 の 琵 琶

         < 螺鈿紫檀五弦琵琶 >

   < 螺鈿紫檀阮咸 >


     ( 正 面 )

           ( 裏 面 )

                  ( 正 面 )

      ( 斜 面 )


          ▼ 螺鈿紫檀五弦琵琶(斜面)

< 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶 >

  四弦四柱(漢琵琶)


●正倉院

 奈良の東大寺の西北に位置する正倉院には、奈良時代から平安時代の宮中での生活用品をはじめ、朝廷に於ける儀式や東大寺などの法要に用いられた九千点にも及ぶ宝物が、当時のまゝ保存されている。日本では701年(大宝元年)、我が国最初の律令制に伴い、雅楽寮が設置された。しかし中国の儒教に基ずく雅楽とは内容が違う。中国固有の楽(俗楽)と西域などから入った外来楽(胡楽)が唐土より伝わった。正倉院の琵琶は、752年(天平勝宝4年)東大寺大仏開眼供養会に、中国からもたらされた物である。宝物の中で一際光彩を放つのがインド系直頸五弦五柱の「螺鈿紫檀五弦琵琶」、阮咸二面、これらは日本では実用化されていない。他に四弦四柱の漢琵琶が五面、これが我が国の雅楽に楽琵琶として原形を留め今日に至っている。

                      正倉院・全景

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